人、モノ、環境の新しい関係性


Concept


人は、五感を通じて環境を知覚している。これに対し、五感と環境の間にセンサーを介することで五感では知覚できない情報を得ることができる。これは以下のようなシンプルな関係図で表すことができる。センサー単体ではなく、この3者の関係全体を考えることが「センサー」から「センシング」への転換である。






さらに、この3者の関係性を様々に変化させることでセンシングの概念を拡張することができる。たとえばセンシングの対象は環境ではなく、モノであったり、人であったりするかもしれない。また、センサーは1つである必要はないし、機械である必要もない。既存のセンサーを別の用途に用いることで新しい情報を得られるかもしれない。突き詰めれば、センサー無しでセンシングすることも考えられてくる。このように、拡張されたセンシングの概念をSuper Sensingと定義する。

Proposer

中川聰 / Satoshi Nakagawa

プロダクトデザイナー/デザイン・エンジニア
デザインコンサルタント
トライポッド・デザイン株式会社CEO
元東京大学大学院工学系研究科機械工学専攻特任教授
名古屋大学大学院医学系研究科客員教授

1987年よりリード・ユーザーを駆使した独自のユニバーサルデザインの開発理論や評価法を構築し、広く内外の企業の製品企画やデザイン開発に携わる。2005年からユーザーの行動心理に注目したデザインの開発プロセスを研究する中で、購買や使用動機につながる「期待感」に着目。製品や、サービスに対する様々な使い手の不安や期待感について期待学という概念を形成し、本格的な調査研究に入る。その後2007年には「EXPECTOLOGY(期待学)」という予測感性デザインの考え方を確立し、新たなデザイン理論として発表。2008年からは実際の製品開発やサービスの計画の中に期待学の理論を導入したプロジェクトに関わり、多くのデザイン工学的発見に寄与する。2010年にはそうした研究の成果をまとめた国際シンポジウム「期待学の思想と実践」を東京大学安田講堂で開催し、多くのデザイン理論研究者に注目される。同年開催された国際設計工学会や世界デザイン会議において正式に理論発表。現在その思想と理念をまとめたデザイン理論の執筆に当たる傍ら、東京大学で新たな研究講座を立ち上げ実践的研究の深耕に着手する計画になっている。一方では2010年から企業参加型の研究会「期待学研究会」を主宰し、現在も100社を超える参加企業の関心を集めている。2010年よりセンサとセンシングの新しい概念「SUPER SENSING」を構築し、活動を進めている。